犬好きだからこそ出来る仕事をしたいそして手に職を付けたい
★女子高生のなりたい職業トップ10入りした事のある「トリマー」という職業。
可愛いワンちゃんと触れ合えて、さらに可愛く仕上げる事が出来て華やかな職業としても見られる事もあるでしょう。確かに犬を飼っていないトリマーでも毎日ワンちゃんと触れ合える事は、犬好きにとって天職であり癒しでもあります。
しかし、いい事ばかりの仕事でもないのです…
★カットスタイルについて
美容院のようにカットする対象が人ではないため、カットスタイルについて綿密に話をしていないと相違が出たりします。理想の参考写真を持参してくれる飼い主井さんでしたら助かりますが、同じ犬種でも色や個体差がある為に完全に同じようにするのは難しいですね。人だと、カットしている最中で「やっぱりこうして下さい」「もっとこうして下さい」と変更出来ますから。仮にトリミング後、カット内容に相違があればすぐにその場で修正は可能です。短くカットしたものを長くする事は出来ませんが・・・大半の手直しは可能かと思います。
★トリミングの環境について
言葉を話せないワンちゃんを相手にしている訳ですからとても高い集中力が必要です。シャンプー中にワンちゃんが暴れてしまい全身に水を浴びたり、分離不安のワンちゃんが飼い主さんに会いたくて何時間も吠え続ける子がすぐ近くにいたり複数のドライヤーの騒音がなり響いたり…それに加え、接客や電話対応なども合間で行っています。
その上で、トリミングは時間勝負です。他店のペットショップなどは、1日1頭や2頭の施術でゆっくり時間をかけてされています。ペットショップのトリミングは、あくまで生体販売のビジネスのおまけという位置付けです。1日で捌く頭数が少なくてもビジネスとしてやっていけるのです。トリミングサロンに勤めるトリマーは、技術力が一般的に高いですが、それでも頭数を捌いて時間勝負となると大変です。私は経営者でありトリマーでもあります。だからこそ、客観的に見ることが出来てトリマーという仕事の大変さが分かります。
★ケガに対して
トリマーのハサミは一般的なハサミと違い、鋭く切れ味抜群です。ワンちゃんが急に動いたりして、切ってしまう。という事もあります。どんなに経験豊富なトリマーで慎重に作業をしててもケガをさせてしまう可能性もあります。また、色々な環境の為、高い集中力を維持し続けるのは本当に難しい。お客様の大切な家族の傷の心配と傷つけてしまったという罪悪感、飼い主様に酷く怒られてしまうのではないかという怖さもあります。もちろん、その怖さや過去の失敗はどんなトリマーでも持っていますからそれを糧に慎重にトリミングは行っていますが、人が作業する事なので常にそのリスクがあります。それを専門学校などでしっかり学んで頂く事が一番だと思います。学校のモデル犬と言うのは大人しいとイメージしている方も多いと思いますが、実際は同じトリマーさんが毎回やって居る訳ではない為犬とトリマーの信頼関係を作るのは難しいかと・・・
★トリマーのケガについて
中には狂暴のワンちゃんもいます。噛まれてしまうリスクや、爪で引っかかれてしまうリスクもあります。中型犬や大型犬に飛びつかれたりすると小柄な女性が多いトリマーはケガがしやすいです。技術力不足と言われてしまえばそうなのかもしれませんが、手懐けたりするのは、訓練士という職業になりますので、やはり月1回でのトリミングでワンちゃんに慣れてもらうにも相当な時間がかかります。大人しそうなワンちゃんにヨシヨシしてたら急に「がぶっ」という事もあります。どうしても予測不可能な事が起きてしまうのです…そんな大変な環境や待遇の中でも全国のトリマーは頑張っています。
全ての方に、理解して頂けるとは思いませんがトリマーがどういう思いで仕事をしているか知って頂けると嬉しいです。