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卒業生通信・・・FROM イタリアPart3
「アジアンスタイルは、楽しんでいただけましたか?
今回は、トリミングサロンに来店するワンちゃんたちの状態をレポートします
驚きの連続でした!
とにかく、毛玉が多いです。
数えたわけではないのですが、トイプードル、マスチーズなどは最低でも普通 に 20 個から 30 個くらいは毛玉があるのではと思います。
もちろんそれ以上の時もあります。
毛玉が多い場 合はシャンプー前の荒刈りにかなりの時間を割きます。
20 分から 30 分、場合によっては 40 分から 1 時間近 くかかることもありますので、その後の工程は手早くする必要があります。
日本に来るトリミングサロンでは、最近では見られない光景なので、初めは本当に驚きました
私の個人的な見解ですが、ヨーロッパは日本と違い家の中も土足なので、日本のようにお散歩から帰ったら 犬の足を洗ったり拭いたり、ブラッシングする習慣がないため、汚れたたままで毛玉になりやすい環境なの だと思います。
特にローマ市内は排気ガスが酷く、マルチーズの足回りはトリミング後 1 週間でグレーにな ってしまうそうです。
また、ボディーのバリカンも 13 ミリと⻑く、トリミング期間は毎月という飼い主さ んは少数派のようで、2〜3 ヶ月おきということも多々あり、必然的に毛玉ができて汚れてしまいます。
決 してイタリア人が犬を大切に扱わないということではないと思うのですが、日本の犬達に比べると、かなり ひどい状態の犬が半分以上ではないかと見受けられます。
また校⻑先生曰く、イタリア人の飼い主さん達の 中には犬がどんなに酷い状態になっても、
「サロンに連れて行けばプロのトリマーがいるのだから、当然きれ いにしてくれるんでしょ〜」という考えの方がまぁまぁ結構いるそうです。
日本人の多くの飼い主さん達の ように、自分の犬が少しボサボサになってきたらお散歩していてちょっと恥ずかしいなぁ、というような感 覚はイタリア人はあまり持っておらず、むしろ多少汚れていてもボサボサでも可愛がっていることには変わ りはない、という考えなのかもしれません。
ブロー中に何十個もの毛玉を完全に取り除かなければならないので、本当に大変です。
こちらではブローは トリミングテーブルではなく、ブロー専用台で犬を繋いで、上から吊り下がっている大きなドライヤーで右 左片面ずつ乾かします。
慣れるまでやりづらかったですが、今は何とか慣れました。ドライヤーから出るか なり強めな風を当て大型犬用のスリッカーを上下左右に動かし、毛玉を次々解いていきます。
最初は何て大 雑把にブローするのだろうと驚きましたが、日本で私がやっていたようなやり方では全然毛玉が取りが終わ
らないので、今は私も(もちろん犬を傷つけないよう細心の注意を払いながら)ダイナミックにブローして います。
「ブロー=毛玉取り」です。頑固な毛玉を「切る」専用の道具もあります。
このように、シャンプー前の荒刈りやブローなどのカット前工程にかなりの時間を取られてしまうので、カ ットは手早く行わざるおえません。
ここのサロンのトリマーさんは皆本当に毛玉取りが早く、そしてカット も早いです。
私は日本で比較的きれいな犬しか扱う機会がなかったので、最初は全然速さが追い付きません でしたが、今は毎回必死でブロー中の毛玉取りや、カットのスピードアップに努めています。
そしてイタリ アの平均的なトリミング料金は日本と比較すると若干安めなので、頭数をこなす必要があります。
国によって違いに痛感
特にケンネルスクールのモデル犬達は 3 週間から 4 週間のトリミング期間なので、なんてキレイな状態だっ たのかと、今はつくづく思います。おそらく日本の犬が特段キレイであって、外国の犬達は毛玉が多く汚れ ていることが多いので、そういう犬達を手早くトリミングできないと、世界では通用しないのだと痛感しま した。
次回は、私が通学しているスクールなどについてお話しします