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卒業生通信・・・・FROMイタリアPart7

2024年5月10日
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開業レポート-第2部

こだわりいっぱいのサロンです

サロン内の様子をご紹介します。
もともとは雑貨屋さんだったところを借りました。55㎡の細長い部屋です。

私達のサロンの特徴として、オゾンスパのサービスを用意しております。奥に設置した白いオゾンスパの流し台を使います。流し台に栓をしてお湯を溜めて、泡の起動スイッチを押して、その中にオゾンスパ用のオイルを数滴垂らして犬を20分入浴させます。その間背中にはかけ湯をします。
オゾンスパは犬の健康促進のためのもので(治療とは異なります)、皮膚疾患、換毛期の抜け毛対策、虫除け、老犬の筋力サポートなどに効果があると言われています。特に短毛の犬がオゾンスパをすると、かなり毛が抜けてその後のシャンプー、ブローで毛が飛び散りませんでした。イタリアではまだそれほどオゾンスパの存在は認知されていないのですが、私達のサロンからも広めていきたいと思います。自作のオゾンスパ用のプロモーション動画を待合室で流しているので、少しずつですがオゾンスパを利用くださるお客様が増えてきています。

綺麗に仕上げるためのアイテム達

サロンで使用しているシャンプーは、卒業したローマの学校の校長先生のご主人が製造販売しているものです。
オーガニック、白い毛用、アルガンオイル、良い香りに特化したもの、すべての犬用、オイリースキン用、マルセイユ石鹸、ティーツリー(虫除け)など様々な種類のシャンプーがあります。
まだまだ種類はありますが、私達のサロンでは今のところこの8種類を使用しています。

また、シャンプー以外にもいろいろなプロダクトを使用しています。
日本の犬たちに比べて、毛玉や毛のもつれが多い犬たちが多くいるために毛玉取りに特化した商品が多数あります。

香りを好むオーナー様が多く、仕上げ用のスプレーや香水も必須アイテムです。

アタッチメントでボディーを刈っているところです

毛玉やもつれの多いイタリアの犬達には欠かせないバリカンです。
使用しているバリカンは主にドイツ製とアメリカ製で、日本のバリカンは電圧が違うので使えません。
バリカンはアタッチメントをつけて使用することが主流です。
1ミリまたは1.5ミリの刃の上に被せて使います。
イタリアでは毛玉が酷い犬が多く、シャンプー前の毛玉取りに多くの時間を使うので、カットの時間が十分に取れません。そこで、アタッチメントをつけてボディーと足まで刈ります。アタッチメントで刈るとハサミでカットした風になるので、時短に役立ちます。日本でも最近は使用しているトリマーさんも多いと思います。

ドイツ製の強力バリカンは毛玉だらけで救済が必要な犬に使用します。
馬力があり刃がかなり強く、ほとんどの毛玉を刈れるバリカンです。
強力バリカンの刃は、高いものは1万円以上します。

救済が必要な犬達

あまりにも状態が酷い犬達のことを私は「救済が必要な犬達」と勝手に呼んでいます。
この犬達は夫の友人が飼っている親子のマルチーズです。
保護犬ではありません、飼い主が飼っている犬達です。
実際には夫の友人の80代くらいのご両親が飼っています。
イタリアでは特に年配の方はトリミングに対する理解があまりなく、料金ばかり気にされる方が多いです。
自宅に庭があり放し飼いで飼っていて、時々自分達でシャンプーやバリカンをするそうです。
その姿をみた飼い主の息子である夫の友人が、これではいけないと思ったようで、私達がサロンをオープンしたのを知り、相談にやってきました。
恐らく他のサロンには連れて行きづらかったのだと思います。
イタリアではまだまだトリミングに対する意識が低く、このご家族だけでなく、このような酷い状態で犬を飼っている家族は沢山います。
毎月トリミングをするという考えは残念ながら、まだまだ浸透していないですね。

この犬達のトリミングで一番大変だったのはシャンプー前の毛玉取りです。
毛玉ではなく毛玉が絡まって擦れてフェルト状になっていました。
シャンプー前に余計な毛を刈らないと、後の工程に大変な負担をかけます。
息子犬の背中です。毛玉がフェルト上になっていて、バリカンでえぐってこの深さです。
シャンプー前の荒刈りに2時間近くかかり、ブローにもとても時間を要しました。
荒刈りはハサミと強力バリカンでしました。毛玉が皮膚に近かったので、かなりの注意が必要でした。
トリミングは合計で4時間近くかかりました。

この親子犬の他にも救済が必要な犬がいます

ラゴット・ロマニョーロ(ロマーニャ・ウォーター・ドッグ)というイタリア古来の犬のミックス犬です。
大きさはミディアムプードルと同じくらいです。
近所の別のサロンで1ヶ月前にトリミングをしてもらったそうですが、シャンプーブローのみで、カットはしてもらえず、更に毛玉も取って貰えずに返されたと、藁にも縋る思いで飼い主さんが私達のサロンにいらっしゃいました。

トリミングには4時間30分かかりました。
ボディーは短いですが、頭だけはラゴットらしさを残すため、毛玉を解いてハサミでカットしました。
後日わかったのですが、飼い主さんはトイプードルを飼いたくて、インターネットで販売していたこの犬を購入したのですが、どんどん大きくなって、ラゴットのようになっていったそうです。
獣医さんにも相談しましたが、純粋のラゴット・ロマニョーロかどうかもわからないとのことです。
ラゴットはプードルに似ていますが、毛質や性格は違います。
飼い主さんがこの犬の扱いに少し戸惑っていたように見えたのは、そういう背景があったからかもしれません。

次回は今イタリアで大人気のトイプードルと、多くの人が飼っている雑種についてレポートしたいと思います。
https://kennel-school.jp/blog/2022/09/30/卒業生通信・・・from-イタリアpart1/ https://kennel-
school.jp/blog/2022/10/14/卒業生通信・・・from-イタリアpart2/ http://https://kennel-
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https://kennel-school.jp/blog/2023/09/15/卒業生通信・・・from-イタリアpart6/

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