高校を卒業して１年間、アルバイトをして過ごしてみたものの、
やりたいことが見つからなかった私。
あるとき、ほんとうに軽いノリで、お母さんと一緒に
トリミングスクールの説明会に行ってみた。

そこで話してくれたトリマーの女性の先生が
犬への愛情あふれる素敵な人で、こんな人に私もなりたいと思った。
子どもの頃に家で飼っていた犬たちが私は大好きで、
いつも遊んでいた思い出がよみがえってきた。
犬のことをもっと知って、犬のためになりたい。
探していたやりたいことは、自分のなかに、あった。
私はトリマーを目指すことにした。

そのスクールで、モデル犬として、
生徒たちのカットの実習の相手をしてくれていた
おばあちゃんマルチーズ、それがマルコ。
スクールの先生たちがみんなが交代で
お散歩したり、ご飯をあげたり、遊んだり、
このスクールがマルコの家だった。

通い始めると、モデル犬の子たちが可愛くてしょうがなくて、
先生方もすごくフレンドリーだったから、
毎日、スクールに通うのが楽しかった。
マルコのことも何度もカットさせてもらったね。
マルコはおばあちゃんだけど、ピンクが似合う可愛い女子。
私はマルコが大好きだった。
そして学び終える頃、このスクールで働かないかと
誘っていただいて、ここにそのまま就職することに。
それからは、マルコおばあちゃんと一緒に、
トリマーを目指す生徒さんをサポートする側になったね。

２年くらい経った頃から、マルコは病気がちになったね。
スクールのスタッフみんなで介護したり、病院に連れて行った。
マルコはお散歩が大好きだったから、
病院の帰り道は、ゆっくり歩いて帰ったね。
楽しかったね。

2020年のある朝、その日は休みだった私に
スクールの同僚からマルコの容態が良くないと連絡があって、
駆けつけたときにはもう、息を引き取っていた。
号泣しながら、みんなで見送った。

生徒の頃から数えると４年間、
何もできなかった私がプロのトリマーになっていくときを、
見守って、一緒にいてくれて、ありがとう。

トリマーはここまでできれば終わりというところはない仕事。
まだまだうまくなれるし、もっと学ばなければと思う。
教えることももっと上手にできるようになりたい。

マルコ、見ていてください。

高校を卒業して１年間、
アルバイトをして過ごしてみたものの、
やりたいことが見つからなかった私。
あるとき、ほんとうに軽いノリで、
お母さんと一緒に
トリミングスクールの説明会に
行ってみた。

そこで話してくれた
トリマーの女性の先生が
犬への愛情あふれる素敵な人で、
こんな人に私もなりたいと思った。
子どもの頃に家で飼っていた犬たちが
私は大好きで、
いつも遊んでいた思い出が
よみがえってきた。
犬のことをもっと知って、
犬のためになりたい。
探していたやりたいことは、
自分のなかに、あった。
私はトリマーを目指すことにした。

そのスクールで、モデル犬として、
生徒たちのカットの実習の
相手をしてくれていた
おばあちゃんマルチーズ、
それがマルコ。
スクールの先生たちがみんなが交代で
お散歩したり、ご飯をあげたり、
遊んだり、
このスクールがマルコの家だった。

通い始めると、
モデル犬の子たちが
可愛くてしょうがなくて、
先生方もすごくフレンドリーだったから、
毎日、スクールに通うのが楽しかった。
マルコのことも何度も
カットさせてもらったね。
マルコはおばあちゃんだけど、
ピンクが似合う可愛い女子。
私はマルコが大好きだった。
そして学び終える頃、
このスクールで働かないかと
誘っていただいて、
ここにそのまま就職することに。
それからは、
マルコおばあちゃんと一緒に、
トリマーを目指す生徒さんを
サポートする側になったね。

２年くらい経った頃から、
マルコは病気がちになったね。
スクールのスタッフみんなで介護したり、
病院に連れて行った。
マルコはお散歩が大好きだったから、
病院の帰り道は、
ゆっくり歩いて帰ったね。
楽しかったね。

2020年のある朝、
その日は休みだった私に
スクールの同僚から
マルコの容態が良くないと連絡があって、
駆けつけたときにはもう、
息を引き取っていた。
号泣しながら、みんなで見送った。

生徒の頃から数えると４年間、
何もできなかった私が
プロのトリマーになっていくときを、
見守って、一緒にいてくれて、
ありがとう。

トリマーはここまでできれば
終わりというところはない仕事。
まだまだうまくなれるし、
もっと学ばなければと思う。
教えることももっと上手に
できるようになりたい。

マルコ、見ていてください。