トリミングの現場は時間との勝負。
時間がかかりすぎてはワンちゃんが疲れるし、
飼い主さんも待ってくださっている。次の子の予約も入っている。
でも最初の頃はすべての作業に時間がかかってしまって、
ああ、まだ俺、こんなことしてる、と、焦っていた。
でも、だからって慌てないように、
焦る気持ちとたたかって、ワンちゃんに嫌な思いをさせないように、
丁寧に、優しく、きれいに。
この子は大勢のなかの一頭ではなく、
飼い主さんにとってかけがえのない、世界で一頭の子。
それは絶対に忘れないように心がけてきた。
今、トリマーになって2年と少し。
飼い主さんとお話しする余裕も出てきた。
少しは技術も上達したかな。
一頭一頭が、その飼い主さんのたからもの。
それを教えてくれたのは、我が家の愛犬、プン、きみです。
プンと出会ったのは7年前。吉祥寺のペットショップだった。
その頃の僕は、交際していた彼女と結婚しようというとき。
バンド活動とアルバイトの日々を卒業して、
ホームヘルパーの仕事に本格的にシフトした頃でもあった。
結婚が近づいていたある日、彼女と僕は映画を観に行って、
映画館でチケットを買った後、始まるまでちょっと時間があったので、
近くのペットショップに入った。そうしたら、そこにきみがいたんだ。
フレンチブルドッグの仔犬に、僕たちは出会ってしまった。
小さくて、可愛くて、ケーキの上で
生クリームを絞ったような尻尾がついていた。
「抱っこしますか」と言われて、彼女が抱っこしたら、
ご飯を食べたばかりだったきみは、彼女の膝の上でスヤスヤと寝始めた。
もうそれで決まりだった。彼女も僕も、もう映画を観るのもやめて、
きみを連れて帰る準備を始めて、翌日にはきみを迎えたね。
ホームヘルパーもやりがいのある仕事だったけど、
こんなにも夢中になれる犬のことを仕事にしてみたいと思ったのは、
プンを飼い始めて4年目くらいだった。
奥さんも賛成してくれて、ヘルパーの仕事をしながら
週末にトリミングスクールに通うようになって、
そして今の、トリマーの僕がいる。
きみを大事にしすぎて“育犬ノイローゼ”に
なりそうだった最初の頃の経験も、
今、飼い主さんから飼い方の相談にのるとき、役に立っている。
プンとの出会いからすべてが始まったんだ。
いつか開きたい自分のトリミングサロンは、
小さいけれど、僕の音楽仲間の生声や生音が楽しめたり、
ワンちゃんのイラストを僕の奥さんが描いて展示したりする、
世界一小さい美術館みたいな場所にしたい。
プンも一緒にね。
トリミングの現場は時間との勝負。
時間がかかりすぎては
ワンちゃんが疲れるし、
飼い主さんも待ってくださっている。
次の子の予約も入っている。
でも最初の頃はすべての作業に
時間がかかってしまって、
ああ、まだ俺、こんなことしてる、と、
焦っていた。
でも、だからって慌てないように、
焦る気持ちとたたかって、
ワンちゃんに嫌な思いをさせないように、
丁寧に、優しく、きれいに。
この子は大勢のなかの一頭ではなく、
飼い主さんにとってかけがえのない、
世界で一頭の子。
それは絶対に忘れないように
心がけてきた。
今、トリマーになって2年と少し。
飼い主さんとお話しする余裕も出てきた。
少しは技術も上達したかな。
一頭一頭が
その飼い主さんのたからもの。
それを教えてくれたのは、
我が家の愛犬、プン、きみです。
プンと出会ったのは7年前。
吉祥寺のペットショップだった。
その頃の僕は、
交際していた彼女と
結婚しようというとき。
バンド活動とアルバイトの日々を卒業して
ホームヘルパーの仕事に
本格的にシフトした頃でもあった。
結婚が近づいていたある日、
彼女と僕は映画を観に行って、
映画館でチケットを買った後、
始まるまでちょっと時間があったので、
近くのペットショップに入った。
そうしたら、そこにきみがいたんだ。
フレンチブルドッグの仔犬に、
僕たちは出会ってしまった。
小さくて、可愛くて、ケーキの上で
生クリームを絞ったような
尻尾がついていた。
「抱っこしますか」と言われて、
彼女が抱っこしたら、
ご飯を食べたばかりだったきみは、
彼女の膝の上でスヤスヤと寝始めた。
もうそれで決まりだった。
彼女も僕も、もう映画を観るのもやめて、
きみを連れて帰る準備を始めて、
翌日にはきみを迎えたね。
ホームヘルパーも
やりがいのある仕事だったけど、
こんなにも夢中になれる犬のことを
仕事にしてみたいと思ったのは、
プンを飼い始めて4年目くらいだった。
奥さんも賛成してくれて、
ヘルパーの仕事をしながら
週末にトリミングスクールに
通うようになって、
そして今の、トリマーの僕がいる。
きみを大事にしすぎて
“育犬ノイローゼ”に
なりそうだった最初の頃の経験も、
今、飼い主さんから
飼い方の相談にのるとき、
役に立っている。
プンとの出会いから
すべてが始まったんだ。
いつか開きたい自分のトリミングサロンは
小さいけれど、
僕の音楽仲間の生声や生音が楽しめたり、
ワンちゃんのイラストを
僕の奥さんが描いて展示したりする、
世界一小さい美術館みたいな
場所にしたい。
プンも一緒にね。
無償の愛を教えてくれた
モモへ
自分らしい生き方に
導いてくれたココへ