Voice

卒業生・在校生の声

45歳からの挑戦。
愛犬への想いを胸に、
姉と描く未来のサロン

集中制矢野成子さん
#在校生
#集中制

トリマーを目指した動機とケンネルスクールを選んだ理由

私は今、姉と一緒にペット雑貨のお店を始める準備を進めています。そのお店に、トリミングサロンも併設できたら。そう思い、勉強を始めました。きっかけは、昔一緒に暮らしていた愛犬のことです。老衰で旅立っていった子なのですが、あの頃の私は、きちんとしたケアもできずに、ただ見送ることしかできなかった。だから、今そばにいる3頭の子たちが同じように歳を重ねた時、「また何もしてあげられなかった」と悔やむようなことだけは、もうしたくないと思ったんです。せめてこの子たちには、最後まで自分たちの手で寄り添ってあげたい。その思いが、トリマーという道を選ぶ一番の原動力になりました。
今は不動産管理の仕事を続けながら、週3日、ケンネルスクールに通っています。この学校を選んだのは、10ヶ月という期間で本格的な学びが得られるから。仕事と両立しながら無理なく通える、という点もとても大きかったです。中でも特に惹かれたのは、「通う曜日を自分で選べる」自由さ。日々のスケジュールに合わせて通える柔軟さが、今の私には何よりありがたくて。それに年齢の面でも、専門学校のように“若い人たちばかり”という印象がなかったことも安心でした。
今年で46歳になりますが、ここなら自分も自然に混ざれる。そう思えたことが、一歩踏み出す勇気につながったような気がします。

ケンネルスクールでの学びについて

入学してまだ2ヶ月。いよいよカットの授業が始まるところ。正直、ドキドキと不安でいっぱいです。これまで私は、自分の犬しか触ったことがありませんでした。だから、初めて“よそ様のワンちゃん”を前にしたときは緊張しました。でも、初めてのシャンプーの時、先生がずっとそばにいてくれて、一つひとつ丁寧に教えてくださったんです。それだけで、安心して「やってみよう」と思えた。その体験が、最初の小さな自信につながりました。
それでも、まだまだ怖さはあります。でも、そのぶん、先生の姿を見ていると、毎回、心が動かされます。犬への接し方が、まるで魔法みたいなんです。「私、けっこう犬に好かれるタイプだと思ってたんだけどな…」そんな自負も、すぐにくつがえされました。私が触ると嫌がっていた子が、先生に代わった瞬間、うそのようにおとなしくなる。まるで別の犬みたいで、何度も驚かされました。
たとえば、顔を極端に洗われるのが苦手な子や、水が怖い子でも、先生の手にかかると、ちゃんと目元まで洗わせてくれる。声のかけ方、触れる手の優しさ、動きのひとつひとつ。そのすべてが、“犬の目線で寄り添う”プロの姿勢なんだと感じました。
ハサミの動きにも、まったく違いがあります。私は少し切るだけで、ざん切りになってしまうのに、先生の手にかかると、驚くほどなめらかな仕上がりに。一定でぶれないその動きに、「これが本当の技術なんだ」と思わされます。
犬って、すごい存在です。嫌なことがあっても、ムッとした気分でも、その顔を見ると、なんだか笑っちゃうんです。きっと、人の心の奥にまっすぐ届く力を持ってるんだと思います。私も“その子にとって安心できる人”になりたいと思います。

将来の目標について

まだ入学したところではあるのですが、今は気持ちがとても前向きで、この気合いをそのまま持ち続けて、10ヶ月間やり切りたいと思っています。もっとたくさんの犬と向き合いながら、自分の中に眠っている可能性も、少しずつ引き出していけたらいいなと思っているんです。

まずは、1年以内の卒業が当面の目標。仕事の都合でお休みしなければならない日もあるのですが、それでもなるべく早く、今の環境を活かしながらゴールに近づきたい。卒業後は、まずはどこかの店舗でお世話になってしっかり経験を積みながら、動物取扱責任者の資格を取り、着実に力をつけていきたいと考えています。

その先に、姉と一緒に開く雑貨店に、トリミングサロンを併設するのが、私たちの描いている未来です。そしてもっと先の未来、おばあちゃんになって現場を引退したら、保護犬のカットなど、ボランティアとして自分の技術を役立てていきたい。そんな後半の人生があっても素敵だな、と思っているんです。

まだまだ未熟ですが、2ヶ月前よりも犬との接し方が少しだけ変わったような気がしています。10ヶ月後、先生のように、犬たちから「この人、好き」と思ってもらえるようになっていたら。そんなふうに思いながら、今日もまた、学校に通っています。

Profile

不動産会社に勤務しながら通学中。お姉さんが開店準備中の雑貨店にトリミングサロンを併設することが目標。入学して2ヶ月目です。